- 1 【間質性肺炎とは】(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解[間質性肺炎について]
- 2 【間質性肺炎とは】(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解[肺が線維化していく]
- 3 【間質性肺炎とは】(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解[特発性間質性肺炎(IPF)とは]
- 4 【間質性肺炎とは】(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解[間質性肺炎の治療方法とは]
- 5 【間質性肺炎とは】(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解 (まとめ)
この記事の目次
【間質性肺炎とは】
(かんしつせいはいえん、interstitial pneumonia (IP))|症状、治療方法、薬等ざっくり解説|図解
[間質性肺炎について]

こんにちは!
えまかたん(@_emakatan)です。
今回は間質性肺炎についての基礎知識について解説していきます。
肺の病気のひとつである、「間質性肺炎」とは何か?
それは、肺の間質に炎症が起こる病気のことを指します。
(間質性肺炎=画像検査で両側びまん性の陰影を認める疾患のうち、肺の間質を炎症や線維化病変の場とする疾患の総称)
では間質とは何か?。
間質とは肺胞の壁のことです。また、肺胞は、酸素と二酸化炭素を交換する要となる組織です。
ちなみに、一般の肺炎は、肺胞の内部や気管支に炎症が起こる病気のことを指します。
【間質性肺炎とは】
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[肺が線維化していく]

肺胞の壁である間質が炎症を起こし、さらに線維化していくと、細胞が破壊され、肺胞が壊れることとなります。
ちなみに、線維化とは、コラーゲンが過剰増殖した状態のことを指します。
怪我をしたときにもコラーゲンの増殖は行われます。
ただ、一度、線維化され、肺胞が破壊されてしまうと元の状態には戻らない、つまり、不可逆的な状態になってしまいます。コラーゲンというと、美容に良いというイメージがありますが、こういう役割もあるんですね。
さて、肺胞の壁である間質は、毛細血管と隣接しています。
健康な状態であれば、間質と毛細血管との間で、酸素と二酸化炭素がスムースに交換(ガス交換)されるわけです。
ところが、増悪した間質では、二酸化炭素は毛細血管内から肺胞に入るも、酸素が上手く毛細血管内に入らなくなってしまいます。
また、肺の一番奥にある肺胞における間質が線維化していくということは、肺胞壁が厚くなることで肺全体の柔軟性が欠如していくということになります。ひいては、肺の収縮機能が低下してしまうので、肺活量の低下を招き、十分に吸気できなくなるということになります。
なお、肺機能検査(スパイロメトリー)では、『息を吸って吸ってー、吐いてー』と掛け声をかけられ行う検査を行います。間質性肺炎では、1秒率(FEV%/FVC)が70%以上と正常ですが、%肺活量(%VC)が80%未満の状態である、拘束性喚起障害を伴う場合が多いです。
間質性肺炎の診断のきっかけについてです。
肺活量・全排気量低下と、肺機能が低下するので、特に労作時呼吸困難(歩行など日常動作での息苦しさ)が出現します。また、季節を問わない乾性咳嗽(喀痰を伴わない咳・空咳)も現れ、気づくことがあります。
さらに、人間ドックなどで胸部CT検査などを行った際に画像で発見されることもあります。
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[特発性間質性肺炎(IPF)とは]

特発性間質性肺炎(IIPs)は、指定難病85です。
特発性間質性肺炎は、ほぼ特発性肺線維症(IPF)が占めています。
胸部CT(高分解能CT:HRCT)等の画像検査では、すりガラス様陰影(ground-glass opacity:GGO)と呼ばれる陰影が特徴的に見られます。さらに進行すると線維化を反映して、ハチの巣のように見える蜂巣状(ほうそうじょう)を呈するようになっていきます。これを蜂巣肺と呼びます。
乾性咳嗽は鎮咳薬では治まりにくいことがあります。
聴診では、マジックテープを剝がすときの音のような、パチパチ・バリバリとベルクロ様の捻髪音(fine crackle)が特徴的です。肺胞で発生するので吸気の終わりに聴取できます。また、指の先が太鼓のバチのように太くなるばち指も半数程見られます。
喫煙している男性や高齢者に多いと言われています。
進行すると、チアノーゼ、肺性心、末梢性浮腫などが出現します。特発性間質性肺炎は発熱がない場合が多いです。
特発性肺線維症では、5年生存率が20-40%の予後不良な疾患となります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した場合には、直接的な肺炎や合併症により死に至る可能性が高くなります。
また、膠原病を伴う間質性肺炎との鑑別は、症状や徴候を慎重に確認する必要があります。
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[間質性肺炎の治療方法とは]

残念ながら、ほとんどの間質性肺炎は現在の医学では治癒できません。ただ、治癒はできなくても、薬によって健康な肺に近い肺の状態を保つ(寛解)ことができる方もいます。
一般に 特発性肺線維症以外ではステロイドや免疫抑制薬を中心とした治療薬を用います。
難治性で進行性の肺線維症である特発性肺線維症に対しては根治療法が存在せず、従来対症療法が中心でしたが、最近では新しい治療薬として認可された抗線維化薬(ピルフェニドンpirfenidone、ニンテダニブnintedanib) の薬効に注目がされています。ただ、治療薬はいずれも副作用(光線過敏症や下痢など)があり、費用も高く、人を選ぶところがボトルネックとなります。
ただ、薬による治療ももちろん大切ですが、それ以上に日常生活の管理も大切です。具体的には、「禁煙」「風邪の予防」「栄養管理」「運動」などにも取り組むことが望ましいと言えます。
【間質性肺炎とは】
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以上、間質性肺炎についてでした。
間質性肺炎について詳しくお知りになれたと思います。